オーナーによる独断と偏見にあふれた音楽情報をお送りします。
4000枚を超えるCDストックと、毎月十数枚のペースで増えつづける新譜の中から「こんな時、こんな曲」、季節やお天気、その日の気分にあったCDを紹介します。

音楽も、その気になって聴いてみれば、その音の中にそしてあなたの心の中にも新しい発見があるものです。あなたのテイストにあったCDを見つけてみてください。


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2008年9月4日(木)
好きな人以外は聴かないで! 〜 Don Caballero / Punkgasm

最近、少し下火になりつつあるポスト・ロックという言葉。モグワイやゴッド・スピードなど一通りの流派が出そろった感がある。そんな中、老舗のドン・キャバレロから新譜が届いた。でも、この人たちは、ポスト・ロックが語られる以前から、このスタイルでやっていて、新譜でも変わらず突き進んでいるので、シーンとは無縁なのかもしれない。ドラム、ギター、ベースの3ピースでゴリゴリと変拍子をたたき出してくる。今回は録音がまた良いので聴いていても奥行きが感じられる。ジャズ的かな?と思えば、インプロヴィゼイションがほとんどないのでそうとは言い難い、かと言って、ヘヴィ・メタルかと言えば哀愁を帯びた様式美がない。誤解を承知で言えば、弦楽四重奏のハード・ロック版かな?挑みかかるようにスピーカーに向かって音楽を聴ける人以外にはお勧めできません。

2008年8月15日(金)
なんで「ソロ」なの? 〜  Takuya Ohashi / DRUNK MONKEYS

「これ、スキマの新しいの!?」我が家の息子たちはすぐに反応しました。全くその通り、スキマスイッチのヴォーカル、大橋卓弥くんのソロ・アルバムです。キャッチーなメロディはスキマスイッチの流れそのものなので、大橋くんがソロでやりたかったことがよくわかりません。これならスキマスイッチ名義で出せばいいじゃん!て感じですが、どうなんでしょう。アフロの彼(名前を知らないもので・・・)と仲が悪いんでしょうか。息子たちはそんなこと関係なく、毎日3回は聴いています。やっぱりキャッチーで良いです。

2008年8月1日(金)
ロックの王道をさらりと行く。 〜 Beck / MODERN GUILT

このジャケット・デザイン、これまでのベックのイメージと違ってシックな色調が期待感を抱かせます。中身もロックの原点に回帰するようなシンプルなもの。ベース・ラインがとてもオーソドックスなイメージですが、そこはベック、音の切れ味は最先端をちゃんと行っています。一瞬、ビーチボーイズの「ペットサウンズ」を聴いているかの錯覚を起こしたのはボクだけでしょうか。タイトル通り、モダンでありながら王道を行くあたりは、さすがです。

2008年7月21日(月)
この頃気になる女性ヴォーカル B 
〜 Joan as a Police Woman / To Survive

ジョーンがなぜポリス・ウーマンなのかは調べていませんが、ジョーン・ウェィサー(発音も不明です)のソロ名義のアルバムです。パティ・スミスのような・・・とどこかで書いてあったので買ってみました。ところがパティ・スミスと言うよりは、アン・レノックスの作品に近い感じがしました。そりゃ、アンほど歌はうまくはないけど、「歌い上げる」的な方向性はちょっと類似するかと。もう少しぶっきらぼうなエネルギーを感じるのかと期待しましたが、意外とまとまっていて、これはこれで聴けます。ここまで3作女性ヴォーカルにこだわってみましたが、やはり今は女性ががんばっています。密かにマドンナの新作が気になっていたりもしています。

2008年7月19日(土)
この頃気になる女性ヴォーカル A 
〜 Melody Gardot / Worrisome Heart

気になる女性ヴォーカルの第2弾、メロディ・ガルドーです。ノラ・ジョーンズが開いたジャズ・ポップの市場は多くのフォロワーを産んでいますが、彼女もその中の一人と言っても良いでしょう。曲はすべて彼女のオリジナルで、ソングライターとしての実力はノラ以上ですが、ヴォーカリストとしてはやはり比較対象が先に出てしまった以上ちょっと不利かも。雰囲気もノラのアルバムとよく似ていてすばらしいのですが、どうしても「これ、ノラ・ジョーンズみたい!」と言われてしまいそうで可哀そうでもあります。もともとギターの弾き語りでスタートした人なんでしょうが、今はこの流れでいかないと売れない、と,ここへ持ってきたのでしょう。アルバムとしてはとても良く出来ています。

2008年7月16日(水)
この頃気になる女性ヴォーカル@ 〜 Martha Wainwright / I know you're married but I've got feeling too

最近、「ジャズなるもの」的なアルバム、それも女性ヴォーカルのアルバムが多くリリースされています。それもこのジャケットのような、ちょっとそそられるような写真を使ったものが増えています。このマーサ・ウェインライトは、あの「はなうた王子」の妹でもあり、父母ともにミュージシャンという音楽一家のひとり。家柄の良さを感じさせます。(ホントか?)全体の感じは、シンディ・ローパーからちょっと毒を抜いたような味わいで、アレンジは見事です。たぶんこのアルバムは売れるんだろうな〜、と感じる80点の作品です。

2008年7月9日(水)
おもしろい試み 〜 Dzihan & Kamien Orchestra / Live in Vienna

何がおもしろい試みかって?、このD&KはもともとテクノDJミュージシャン。だから様々な音の切り張りでアルバムを作って来た人たち。ところが彼らがオーケストラを作ってライヴ講演をやってしまったというわけ。6人のヴァイオリニストをはじめ、サックス、トランペットなど総勢20名からなる生楽団が、エレクトロニクスの打ち込みサウンドをすべて「生」で演奏するわけです。これはたぶん、原曲を知っていないとこのおもしろさも理解できないかもしれません。さしずめYMOの曲をオーケストラでやるようなもの。実におもしろいでしょ、一度聴いてみてください。

2008年6月23日(月)
フレンチとアフリカが溶け合う音
 〜    Raphael Sebbag / El Fantasma De La Libertad

今では死語に近い扱いを受けている「アシッド・ジャズ」。それの日本での草分け的存在だったのが、UFO(ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーション)。UFOのメンバーの一人、ラファエル・セバーグのDJワークから生まれたのがこの作品。ジャケットにもあるように、フレンチ・アフリカンなモロッコがテーマのようだ。歌詞はフランス語なのでシャレた感じはもちろんだが、そこにちょっと砂漠の匂いが漂うところがオモシロイ。この地中海を囲んだ地域の音楽が最近とても熱い。バルセロナ、ナポリ、アルジェなど様々な民族が融合して熱い音楽を聴かせてくれる。このアルバムはそこまで意識しているかは分らないが、ただのオシャレでは終わらないところが流石である。

2008年6月16日(月)
日本ジャズ界のイケメン集めました。〜 TKY / TKY

以前ここでも書きましたが、日本の若手イケメン・ジャズ・ミュージシャンを3人集めて話題となったアルバムがこれです。T(TOKU)、K(日野賢二)、Y(小沼ようすけ)を中心としたクインテット。これがなかなかアグレッシヴでカッコよい。このバンドのグルーヴを支えているのが、日野賢二のベースと大槻”KALTA"英宣のドラム。この二人の音圧に圧倒されながら、他のメンバーがなし崩し的に音の坩堝の中に溶け込んでいく感じ。この力強いグルーヴの中ではTOKUのメロウな魅力が生きないような気がするが、ちゃっかり日本のチェット・ベイカーは一曲、声も披露している。ちょっと昔のフュージョン風あり、70年代マイルス風ありと楽しませてくれる、日本のジャズ界の「今」を映した作品となっている

2008年6月5日(木)
いつまでも値が下がらないヒト 
    〜 佐藤竹善 /  Cornerstone Domestic Mix at the lounge
実は佐藤竹善さんってあんまり知らないんだけど、たまにテレビの音楽番組なんかで大事に扱われてるところを見ると、なかなか値が下がらない存在なんじゃないかな?と思って聞いてみました。まずはこのジャケットでやられますよね。つい手に取ってしまいそうです。内容はたぶん同名アルバムのRe-Mixなのかな?「ロビンソン」や「らいおんハート」などお馴染みの曲のカバーなのですが、意外と思いきったアレンジで楽しませてくれます。その上に色んなリミキサーにいじられて、なかなかの仕上がりです。でもやはり、この人はこの「声」なのかな。一声いくらの価値を感じます。
2008年5月31日(土)
話題のお騒がせシンガー 
        〜 Amy Winehouse / Back to Black

ノラ・ジョーンズ以来ジャズっぽいものがおおいに流行っています。このエイミー・ワインハウスもその一人(なのかな〜)。しわがれてドスのきいた声がウケてるんでしょう。スタンダードを何曲か歌っていますが、アレンジはいたってシンプルで聴きやすく、思ったよりソフトでした。カサンドラ・ウィルソンの「トラベリング・マイルス」あたりの、もっと思い切ったアレンジが彼女にはお似合いかと思います。実生活でもクスリで捕まるなど無頼な側面ばかりが注目されてますが、今後の更生(構成)に期待しましょう。

2008年5月19日(月)
着眼点はすばらしいのだが・・・〜今井美樹 /  I Love a Piano

実は、ボクは今井美樹が結構好きなんだよね。しゃべり声であれだけ歌える人っていないでしょ。今回の新譜、このジャケットからも想像つくように、確信犯的にジャズ・ファンを狙っての脚線美。企画もタイトル通り、ピアニストとのデュオというもの。7曲全曲でピアニストを代え、コラボレイト色を全面に押し出す発想である。でも、ちょっと企画におぼれてしまっている観がある。はたして、どれだけのリスナーが各ピアニストの個性を感じることができるか疑問である。そして、選曲も彼女の代表曲のアンプラグド版と、一粒で二度おいしいところを狙ってしまっている。この企画なら、ピアニストの得意分野に今井美樹が出かけて行っても良かったのではないかな。アルバムのまとまり具合はなかなか良いです。今井美樹をこれで初めて聴いたら、きっとファンになってしまうでしょう。今度は「I Love Guitarist」ってのをやってくれるとおもしろいかも・・。

2008年5月18日(日)
Darkに浮遊するトランペット〜Nils Petter Molvaer / Re-Vision

荒涼とした大地、はたまた寒々とした海辺にひとりたたずむ孤高のトランペッター。ニルス・ペッター・モルビルの新作は、過去に彼が手がけた映画音楽からの抜粋である。なるほど彼の音楽は映画を彩るには、はまりすぎるくらいはまる。それは、裏を返せば彼の音楽が何か映像を思い起こさせるだけの雰囲気があるということか。彼を音楽で起用した映画監督も、もしかしたら彼の音からインスパイアされて映像づくりをしたのではなかろうか。北欧のミュージシャンのアイデンティティを如何なく発揮したCoolnessは多くのフォロアーを産んでいる。あえて、ドカーンと落ち込んでみたいとき、最適です。

2008年5月12日(月)
意外と「まとも」で驚きました。 〜 Cat Power / JUKEBOX

気だるいヴォーカルに不安定な演奏が売りのCat Powerの新譜です。しばらく旅行が控えていたので、CD購入も控えめにしてました。久々の新譜購入で期待が高まっていたところ、いい意味で裏切られました。以前の彼女の弾き語りときたら、「おい、おい、大丈夫?」と言いたくなるほど不安?定で、それが聴きなれると癖になる、そんな納豆のような魅力がありました。ところが、このJUKEBOXでは、バックの演奏は確かだし、彼女のヴォーカルもまともだし、「これCat Powerじゃないじゃん?」て感じにうまくまとまっています。入門者にはこの程度がよろしいのでは、とも思います。このアルバムも全曲カヴァーです。原曲と聴き比べてみるのも面白いものです。気だるい女性ヴォーカル好きにはお勧めです。

2008年4月24日(木)
お琴のイメージが変わります。 〜 Michiyo Yagi / Seventeen

うららかな春。満開の桜の花を見ていると、頭の中に流れてくるのは、ゆったりとしたお琴の音色。日本人だな〜、とつくづく実感します。・・が、この人のお琴を聴くとそのイメージが変わります。このSeventeenというタイトルは彼女の奏でる17弦琴(すべての琴がそうなの?)からきている。琴の可能性を追求した意欲作といえる。演奏風景や服装なども型破りなもので、2台?の琴をキーボード・スタンドのようなところに置いて、髪を振り乱して演奏する様は、まるで前衛アーティストです。多くのジャズミュージシャンとの共演経験もあり、ボクもこのアルバム以外に、ノルウェーのジャズバンド、アトミックのリズム隊との共演盤も持っています。が、あまりにもフリーすぎて、すべて聴くには体力がいります。このアルバムはBGMとして流しているだけでも、部屋を凛とした雰囲気にしてくれます。ちょっと、生活に変化を・・・とお考えのあなた、おススメです。

2008年4月21日(月)
ショウを演出するシャレた音楽 
〜 Seigen Ono / COMME des GARCONS 2

このオノ・セイゲンという人、とても不思議な存在です。ジャズ・ミュージシャンというよりはコンポーザーと言った方が良いのでしょうか。この作品はコム・デ・ギャルソンのファッション・ショウ(なんだか陳腐な言葉だなあ・・・・)のために書き下ろしたもの。最近この手のコンテンポラリー・ジャズが注目を浴びだしています。演奏者の個性よりはアレンジメントの妙を聴かせるような、そんな感じです。ジャズではありませんが、ちょっと前に冨田ラボなんかも同じような印象を受けました。ヨーロッパの香りとともにどうぞ。

2008年4月18日(金)
問題作?なのか・・・。 〜 菊池成孔Dub Sextet 
/ The Revolution will not computerized

世間の熱も少し冷めてきた感もある、菊地成孔のニュー・アルバムです。ジャズ界の若き奇才として、70年代のエレクトリック・マイルスを下敷きにした作品で、ひとつのムーヴメントを作ってきた彼の新作は、さらにそれを10年遡った、アコースティック・マイルスの最後期をイメージした趣となった。アコースティックなジャズをDubで味付けを・・という試みは特に目新しいものではないが、ここでの彼は、真剣にメイン・ストリームのジャズをやろうとしているように聞こえる。世間の期待と自己のアイデンティティーとの葛藤のなか、彼が至ったところは、実に正当なジャズ・スタイルだったのでは、と感じる。ボクはこの作品に対する批評は一切読んでいないが、この作品の下敷きは、「ネフェルティティ」ではないかと思う。あの臨場感を出すためにDub手法の手を借りたのではなかろうか。実に面白い作品だ。

2008年4月7日(月)
たまに聴きたくなるライヴの名盤 〜 Genesis / Second Out

昔、中学から高校にかけて、プログレが大好きな時期がありました。イエス、キング・クリムゾン、ピンク・フロイドなどと一緒によく聴いたのがこのジェネシスです。今ではフィル・コリンズのメジャー路線に乗って、ポプュラー・バンドですが、この頃はライヴが売りのプログレ・バンドでした。もしボクが、「これまでに存在したミュージシャンのライヴで、どれが一番見てみたい?」と聞かれたら、たぶんこの頃のジェネシスを上げるでしょう。ライヴで試される演奏力はもちろん、ステージ演出も当時としては最高でした。今では当たり前にステージで使われる、クルクル回る照明「ベリー・ライト」。あれを初めて使ったのがジェネシスということです。機材の膨大なゆえ、結局日本では見ることができませんでした。LP盤で言うD面、CDで言う最後から3曲の盛り上がりが最高です。ライヴに興奮したい方、ぜひ買いです。

2008年4月5日(土)
ゆる〜い、Grooveを・・・ 〜 BLKtop Project / BLKtop Project

昔、カラパナというハワイあたりから出てきたバンドがあったのをご存知ですが?。ハワイアンでもなくサーフ・ロックでもなく、でも十分海を思いださせてくれるサウンドに心を奪われた時期がありました。このバンドはハワイからではなくサンフランシスコからですが、海の雰囲気が満載です。トミー・ゲレロやレイ・バービーなどプロのスケート・ボーダーたちが集まって、ボードをやりながら聴きたい音を自分たちで作ってしまったらしい。ボーダーのファッションよろしく、全体的にゆる〜い感じですが、そこにボードのスピード感が加わってカラパナを初めて聴いた時の印象を与えてくれます。ジャック・ジョンソンあたりと同じ流れをくむ連中なので、そんなのが好きな方にはおすすめです。これはミニ・アルバムに近い内容ですが、最近、フル・アルバムが出たらしいので要チェックです。

2008年3月20日(木)
ジャズなのか、それともロック? 〜 him / Peoples

ちょっと陳腐な問いで恥ずかしいのですが、最近、特にジャンルの垣根がなくなり「これはナニ」と一言で言えないもどかしさが募ります。たぶんCD屋さんはもっと大変かもしれませんが・・。このhimはジャンルで見ると「ポストロック」に入っているようですが、この言い方も範囲が広がりすぎて、的確に伝えるには言葉が足りなすぎるように思います。曲調はちょっとケルト風なアンサンブルとエレクトロニカが絡んだ雰囲気のインスト。このバンドのドラムのアダム・ピアースはひとりユニット、マイス・パレードで知られる存在。音楽の種類としては、これら2つのバンドやディラン・グループなども同じ雰囲気を持っています。日本版のボーナス・トラックは軽快で聴きごたえありなのでお勧めします。検索するとHiMというゴス・ロックが先に引っかかって来るのでご注意ください。

2008年3月17日(月)
春霞のなか漂う音の粒 〜 Jacques Loussier Trio / Satie

春になると、どこからともなく漂ってくるあの音、「タタ、タンタンタン、タタタタ〜ン・・・」(イメージできるかな?)。エリック・サティの代表曲「ジムノペティ No,1」。この音の並び、何だか不安定なんだけど落ち着いてしまうのは何故だろう?。で、このアルバム、ジャック・ルーシェがジャズ・アレンジに味付けをしたサティです。このジャック・ルーシェというフランス人ピアニストは、バッハをジャズにアレンジして一躍有名になった人。ボクもこの他にビバルディの「四季」を持っていますが、なかなか面白いです。原曲では登場しないドラムの効果的な使い方にはどれも脱帽です。春のうららかさのなか、このサティを聴いていると、「あ〜、もうなんにもやりたくな〜い」って気持ちになります。

2008年3月14日(金)
フワフワとアルゼンチンから 〜 Juana Molina / SON

春の靄の中をフワフワと漂っているような、不思議な感覚を与えてくれる作品。フアナ・モリナの4作目の「SON」はいつもと変わらずアルゼンチン音響派と言われる独特な雰囲気を楽しませてくれる。彼女のステージは、アコースティック・ギターを抱えた彼女の隣にラップトップのパソコンが一台あるだけというシンプルなもの。フォーク・ソングにユラユラとした音響エフェクトが加わるという感じ。
春、ボーッと空を眺めながら聴くには良いかも。

2008年3月9日(日)
春に聴くオーガニック・サウンド 
〜 Iron and Wine / The Shepherd's Dog

実に印象的なジャケット・デザインでしょ。思わずジャケ買いしてしまいそう。目の丸い、ちょっと狂ったような犬のデザインから出てくる音は、ボクの印象では全く違ったものでしたが、聴きこむうちに味が出てくる、そんな作品。オーガニックなフォークとエレクトロニカがちょっと絡んだ不思議な浮遊感が感じられます。このアイアン&ワインはサム・ビームという人の一人ユニット。この前の作品はアリゾナのバンド、キャレキシコとの共演盤でTexMexなサウンドに絶妙に絡んでいました。例えるならば、ロバート・ワイアットをもっと暖かいところへ連れて行った風です。春風に吹かれながら、ビール片手に聴くには最高です。

2008年3月8日(土)
久々の臨場感あふれる"Live"! 
〜 クラムボン /  3peace Live at 百年蔵

今や日本を代表するバンド、クラムボンのライヴ・アルバム。古い酒蔵で行われたライヴは、久々の臨場感あふれる作品に仕上がっている。アルバム・タイトル通り、3人の息の合ったインタープレーが聴きもの。この演奏の直前に出された彼ら初のカバーアルバム「Lover Albumn」から数曲、それも演奏力が試されるラインナップで楽しませてくれる。たっぷり2枚組で嬉しいのだが、あの原田郁子の独特な声は好き好きが分かれるところ、最後まで聴くとお腹いっぱいになる人もいると思います。やはり蔵の中という小さな空間での、観客とのやり取りなど目の前に状況が浮かび上がるほど臨場感があり、ライヴ・アルバムとしては素晴らしいできです。日本のバンドもがんばってます。

2008年3月2日(日)
春の訪れを告げるフレンチ・ポップ 〜 lilicub / la grande vacance

明日はひな祭り。春が近付くとなぜかフレンチ・ポップが聴きたくなる。あのウキウキしたちょっとバカバカしげでもある独特な調子が春めいた陽気によく合います。このリリキューブ(リリカブ?)は男2人、女1人の混声トリオ。曲調は、ベタなフレンチをあえて意識した今風なアレンジで「フレンチ・ポップも聴いてみようかな。」という方にはツボにはまる作品といえます。数年前、まだコンビニでCDが売られていた頃、ジェーン・バーキンのベストが清里のセブンでも売られていて、こんなの誰が買うの?とビックリしたことを覚えていますが、意外とフレンチを聴く人も増えているのではないでしょうか。春の陽気に誘われて、一度ご賞味ください。

2008年2月26日(火)
キャラメル・ヴォイスのブルース 
〜 Rickie Lee Jones / The Evening of My Best Day

キャラメル・ヴォイスって言葉があるかどうか分らないけど、キャラメルのような甘ったるい声の持ち主ということです。放浪のブルース・シンガー。若くして、人生の表も裏も知り尽くし、たどり着いたのがトム・ウェイツ。しわがれ声の放蕩ブルース・シンガーのもと。そこから音楽の道へ。このアルバムはジャズ的なアプローチに彼女独特なブルース感覚をうまくマッチさせた秀作です。この甘ったるい声からは想像できないヴィジュアルも売りかも。落ち着いて聴ける大人のブルースです。

2008年2月18日(月)
甘く大人の香り 〜 Promise / Sade

1986年と、もう20年以上も前の作品。シャデーの2枚目のアルバムのこの”Promise"は彼女の人気を決定付けた傑作。インドの香り漂うイキゾチックな容姿に、ハスキーにくぐもったような独特な声。当時には珍しくちょっとマイナーな曲調とアレンジは異色な存在として一気にメジャーなミュージシャンに駆け上がった。その後の作品も、いずれもクオリティーが高く、はずれがありません。先日、ビデオ・クリップで彼女の近映を見てびっくり!。ちょっとヴォリューム感が出てはいたけど、昔のままの妖艶さ。20年以上経っているのに・・・ちょっと怖い。

2008年2月13日(水)
知的なニューヨーク・サウンド 〜 The Sea / 西藤大信

去る2月8日の夜、清里のブルー・パブ・レストラン「Rock」で熱いジャズを聴かせてくれたニューヨーク在住のギタリストNobuこと西藤大信君の最新アルバムです。南国、宮崎出身の素朴な一面とバークリー音楽院卒の知的な面がニューヨークという洗練されたジャズ環境で磨きをかけられ、ホットでクールな音に仕上げられています。先日のライヴでも心温まるアコースティックなナンバーと躍動感あふれるアグレッシヴなナンバーが、本場ニューヨークのジャズ・バーへ誘ってくれました。また日本人ギタリストの新星が現れました!
また八ヶ岳で熱いライヴを聴かせてください!

2008年2月8日(金)
アイスランドの冷たいサウンド 〜 Sigur Ros / Hvat - Heim

アイスランドというヨーロッパの片隅にある小さな島国から、最近多くのミュージシャンが世界に飛び出している。ビョーク、ムーム、そしてこのシガー・ロスはこの小さな国を大きく知らしめた存在である。中でもこのシガー・ロスはすべての楽曲を母国語で歌っていながら世界中で受けている唯一無二の存在でもある。英語以外の音楽を聴かないというアメリカでも彼らは売れているのだ。このアルバムは彼らの最新作であり、初のライヴ盤とこれまた初のベスト盤の2枚組である。とりあえずシガー・ロスを聴いてみようと思う方にはお勧めかも。ふわーっとした浮遊感漂うサウンドに繊細なヴォーカルがからんで、「アイスランドってこんな感じの国なの?」っと思わせる独特な雰囲気を楽しめます。雪の降る夜に聴いてみてください。

2008年1月23日(水)
渋い!只者ではない、このオヤジは 〜 Al Kooper / Black Coffee

2年前、30年ぶりだか40年ぶりだか・・という久々に出た、アル・クーパーの新作。アル・クーパーと言えば伝説のミュージシャンで、まだ音楽活動をしてたんだ!と言ってしまいそうなほど伝説でした。やはりこれまでに大病を患い、再起不能とまで言われた時期もあったようです。で、この作品、「お見事!」の一言。レイドバックしたいなせなブルースに、抜群の歌唱力を見せつけるバラード、どれを取っても超一級品です。さすが、「伝説の男」、偽りはありません。ここ数年に聴いた歌ものCDでは最高に好きな作品です。

2008年1月20日(日)
オシャレすぎる選曲のコンピです 〜 Saravah Jazz / V.A.

なんとも洒脱でオシャレで・・・同じか?な選曲のコンピレーション・アルバムです。このサラヴァというレーベルがどんな音にこだわりがあるのか下情報は全くなしに、選曲が松山晋也と聞いてピーんときて買っちゃいました。そしたらこれがすごく良いのです。サンジェルマンの香り、一癖も二癖もあるフレンチ・ジャズのオンパレードです。ピエール・バルー、フランシス・レイ、ブリジット・フォンテーヌなど怠惰とエロス漂う世界へ誘います。「あ〜、もう何にもやりたくな〜い!」ってな時、これを聴いてもっとダメになってみてください。でも、こんなコンピ、ボクも作ってみた〜い。

2008年1月14日(月)
王道とはこう言うことか!? 〜 Radiohead / In Rainbows

彼らが次に何をするのか・・・、彼らの動向が世界中のロック・ファンを動かすと言っても過言でないほど、良くも悪くも影響を持ってしまったモンスター・バンド。前評判では「歌ものへの回帰」と聞いていたが確かにこれまでの作品とは違い、バンド・サウンドに拘った感じは受ける。しかしその分、今回の作品における彼らのオリジナリティが見えにくくなっているのも確か。個人的には、「キッド A」や「アムニージアック」などの実験的な路線に魅力を感じていたので少々残念ではあるが、それでも十分聴きごたえのある作品になっているのは流石である。分りやすさで勧めるならば、このアルバムが彼らのベストなのかも。

2007年12月24日(月)
隠れた名曲「クリスマスの扉」 〜 須藤 薫 / DROPS

須藤 薫、1979年デヴュー。当初から松任谷夫妻、杉真理らにサポートされ注目のヴォーカリストとして、80年代数枚の名作アルバムを世に出している。これは彼女の5枚目のアルバム。クリスマス・イヴにはこの杉真理作曲の「クリスマスの扉」がボクにとっては定番です。彼女はこのアルバムを83年に発表してからしばらく活動を休止。87年にふたたび「Hello Again」で復活。この時初めて彼女のライヴに行きました。その時の感動はいまだに忘れられません。デヴュー・アルバムからこの6作目まではどれを聴いても名作ぞろいです。先日、紙ジャケで再発されたのでぜひ聴いてみてください。

2007年12月21日(金)
本年度ベスト・アメリカン・ロックCD 〜 Joe Henry / Civilians

ミュージック・マガジン年末恒例の企画「2007年ベスト・アルバム」のアメリカン・ロック部門で堂々の1位がこの作品です。でも多くの日本のリスナーには馴染みがないよね。国内版は出たんだっけ?しわがれた声になんだか霧がかかったような独特な空気感を醸し出し、one&onlyな作風はいつも変わらない。曲調はブルースとフォークの混ざり合った、ニューヨークやシカゴなど大都会の場末を想像させる。このジョー・ヘンリーと言う人、日本ではなぜか評価が低い。日本でも受けると思うんだけどな・・・・。個人的には前々作「Scar」に打ちのめされたので、この新作からの衝撃はさほどではなかったけど、未体験の方はぜひこの機会に聴いてみてください。

2007年12月18日(火)
スケールの大きなガレージ・ロック 
〜 くるり /  ワルツを踊れ Tanz Walzer

洋楽比率98%のボクのCD・シェルフの中で、着実に枚数を増やしているドメスティック・バンドの一人。彼らの音の中には世界を十分にうならせるだけのオリジナリティーと新しさがある。それが今回はまた世界を意識してか、音楽の都ウィーン・レコーディングである。オーケストレーションをふんだんに盛り込み、スケールの大きな作品にできあがっている。分りやすく表現するなら「ウィーン・フィルをバックに歌う奥田民生」かな・・・(ちょっと乱暴すぎる?)最初から最後まで、新鮮な「驚き」を持って聴ける傑作です。

2007年12月11日(火)
日本が誇るインスト・ロック 〜
 toe / the book about my idle plot on a vague anxiety

ジャケットの鹿?の写真が可愛いよね。でも内容は荒々しくも美しいインスト(ポスト)・ロック。日本の若者4人による世界へ向けた音だ。ギターの物悲しい旋律のループの上を、これでもかと言うほど荒々しくリズミカルなドラムがうねる。モグワイの持つ抒情感を一瞬のうちにクライマックスに持ち込んだようなスピード感はなかなかのものです。日本には他にもmonoなどもいるけど、爽快感はこっちのが上かな。全編聴き終わった後で、もう一度このジャケットを見てみてください。このまっすぐに見据えた鹿の横顔が凛々しくさえ思えます。
ドラムが好きな方、一度聴いてみてください。

2007年12月7日(金)
今年聴いたベストなジャズ・アルバム 〜 Elizabeth Shepherd Trio / Start to move

今年もあと3週間ほどで終わり。そろそろ「今年のベスト・アルバム」なんて企画が各音楽雑誌を賑わすころです。それに先駆けて、まずボクの今年一押しのジャズ・アルバムを紹介します。カナダはトロントから届けられた実に正統派でありながらワクワクするジャズ・トリオです。ピアノ、ベース、ドラムそしてヴォーカルと何とも個性の出しづらい編成でありながら、これだけグイグイと引き込むことのできる一因はやはりエリザベス・シェパードの歌のうまさと編曲力にあると思う。スタンダードの「Four」や「Melon」なども見事に彼女らしく味付けられてとても新鮮な響きに聴こえます。ジャズ・ファンに久々の「おもしろい」プレゼントになるのではないでしょうか。

2007年12月3日(月)
ちょっと土の匂いがするジャズ 〜 Floratone / Floratone

先日出たばかりの新譜です。このFloratoneが、どんなバンドかは音楽専門誌に任せるとして、内容がすこぶる良いのです。ドラムとベースそしてギターのハーモニックスがノイズのループの上をうねる感じで流れ、管楽器がテーマを淡々と奏でる。なぜか土くさく感じるのはギターのBill Frisellの郷愁を誘うような独特なフレージングによるものか。全体的にとても音が良く練りこまれていてちょっとトータスあたりのジャズの解釈に似てるような、そう感じるのはボクだけかな・・・?

2007年11月28日(水)
陽だまりで聴くLooseなGroove 〜 Tommy Guerrero / Return of The Bastard

元プロ・スケートボーダーという異色な経歴を持つトミー・ゲレロ。ギター1本でハワイアンともスパニッシュとも言えない不思議な雰囲気をかもし出すOne & Onlyな存在。一時期はヒップ・ホップに近い路線にも傾倒したが、このアルバムのタイトルどおり、Returnしてデヴュー当時のギター・グルーヴに戻っている。タイトルのBastardは彼のデヴュー・アルバムのタイトルに由来する。これまで様々なスタイルで10枚以上のアルバムを出しているが個人的にはこの作品、ベスト3に入ると思う。
けだる〜い午後、ビールを片手に聴くには最高でしょう。

2007年11月27日(火)
「甘〜い」ひと時を演出するフレンチ 〜 Yann Tiersen / L'Absente

映画「アメリ」をご覧になりましたか?現実と空想の間を行ったり来たりの甘〜いファンタジーでした。この映画のバックで流れるフレンチ・アコーディオンの夢見心地な音世界。それを作っているのがヤン・ティルセンです。この作品は「アメリ」でお馴染みの、軽やかな曲があり、また逆に哀愁を帯びたしっとりとしたシャンソンありで、実に多彩です。行ったことはありませんが、パリの街の中を彷徨い歩いているようなそんな気持ちにさせてくれます。アメリカ、イギリスのポップスに飽きた方、甘〜いフレンチはいかが?

2007年11月14日(水)
なんと「イーグルス」新作です! 〜 Eagles / Long Road Out Of Eden

イーグルスの新作を聴きました。実に前作「Hell Freezes Over」から13年ぶり(新曲は4曲のみでちょっと同窓会的作品だったけど・・・)だから、またまた同窓会?と思ったら、これが全然「マジ」な新作なのです。それもたっぷり2枚組。中身は本当に最高!!です。彼らの最終作「Long Run」の頃のクオリティーが聴けます。進歩がないと言えばそれまでですが、でもイーグルスはこれでいい!と納得させてしまうできです。メンバーはドン・ヘンリー、グレン・フライ、ティモシー・B・シュミット、そしてジョー・ウォルシュの4人で今回、ドン・フェルダーの泣きのギターが聴けないのが少し残念ですが、メロディー・メーカーの4人が存分に力を発揮しています。「今さらイーグルスかよ?」と思ってるあなた、絶対に買いです。

2007年11月13日(火)
アシッド・フォークとでも言うべきか? 〜 Devendra Banhart / Cripple Crow

リクエストがあったので書きます。実はボクもこのデヴェンドラ・バンハートはこのアルバムが初体験で、またこれ以外は聴いたことがないのでこの「Clipple Crow」のことでしか書けないのですが・・・。一言で言えば、「アシッド・フォーク」ですよね。最近、ジャック・ジョンソンあたりの影響で、オーガニックな音楽が見直されているので、その流れか?と思えば、内容は全然異質なものです。天国と地獄ほどの違いかな。なんだか何者かに「とりつかれた」ように楽しげな歌声がドローンな生ギターの上でうねってるような曲のオンパレードで、何か突飛なものが聴きたい方にはおすすめです。ニュー・アルバムが出たようですが、ん〜っと手がでません。

2007年10月29日(月)
超絶技巧のギタリスト登場 〜 OzNoy / Oz Live
やはり自分がかじったことのある楽器というのがとても気になるもので、ボクの場合はギターなのです。「お〜!これどうやって弾いてるんだろう!?」なんて言いながらギターを持ち出しては、あーでもない、こうでもなとやるのが意外と楽しい。でもこの人のギターは、ギターを持ち出す気力を削ぐほどすごい。ジャンルはまさしくジャズ・フュージョン。ベースとドラムとの3ピースなのだが、ギターだけで3人いるような手数の多さに圧倒されます。彼の新譜「Fuzzy」も聴いてみましたが、やはりこのライヴの方が臨場感があってお勧めです。Wayn Krantzが好きな方のは特にお勧めです。
2007年10月19日(金)
現代にも通じる名曲の数々。〜チューリップ / 日本

このジャケット、エキセントリックですよね。これだけ見たら、何だか右寄り思想のこもったものに思えますが、内容はその頃の時代を映し出したポップスです。この中の名曲「都会」は現代にも通じるとてもシュールなないようです。
「時をみつめもせず、ただじっと、涙に近寄らず、ただただ生きよう 中略 何も思わないで、ただじっと、情けに近寄らず、ただただ生きよう。 ぼくを責めないで、こんなぼくを、いつかなっていた、こんなぼくに。」感情を捨てて生きる現代人の姿を切々と歌ている。ほかにも名曲が数々。ぜひ聴いてみてください。

2007年10月8日(月)
ポールのソロ「最高傑作」! 〜 Paul McCartney / RAM

高校生の頃、初めてバンドを組み、学園祭で演奏したのがポール・マッカートニー&ウィングスの曲だった。当時は「ライヴ・イン・USA」が話題で、その中の何曲かをコピーしていました。当時を振り返って、ポールの古い作品を聴きあさっていたら、特にこの「RAM」のクオリティーの高さに驚かされました。1971年5月、正式にビートルズ解散直後、リンダと二人で作り上げたこの作品は、ジョンとヨーコのコラボレイトに対するポールの回答のごとくメロディアスでキャッチーな曲で構成され、実にポールらしい。
オリジナル・アルバムでは最後に収められている
「The Back Seat Of My Car」は珠玉の名曲です。ポールの曲を遡って聴きたい方、ぜひこのアルバムからどうぞ。

2007年9月30日(日)
雨の日をしんみりと"楽しむ” 〜 Ralph Towner / Anthem

雨がしとしと降りしきる午後。憂鬱な気分を振り払うなんてもってのほか。こういう日は、思いっきり雨の憂鬱を楽しんでしまえ!ということでご紹介するのが、ラルフ・タウナーのアンセム。ドイツのジャズレーベル、ECMは常に静謐な音を紹介してくれる。このアルバムはジャズというよりは、ニュー・エイジ作品といえるが・・。全編、ラルフのギター・ソロで編まれたこの作品はジャケットの写真そのまま、雨の日のしんみりした雰囲気に浸れる最高の一枚。秋雨の季節。しんみりと"今”に浸りたい方、ぜひお勧めです。

2007年9月21日(金)
秋空に似合うアメリカン・トラッド・ソング 
〜 Neil Young / Harvest Moon

秋になると聴きたくなるCDがいくつかある。このニール・ヤングのハーベスト・ムーンもその一枚。正しくハーベスト、収穫の時を讃えた彼の代表作だ。これは70年代に発表した名作「ハーベスト」の続編的な位置づけとして制作されたと聞く。ボクは両方持っているが、こっちの方がよりレイドバックして聴けて好きだ。ニール・ヤングはとても多作である上に、とんでもないほどに多才なので選ぶ時に情報は不可欠。のんびり聴こうと思って買ったらギンギンのロックン・ロールだったりするので注意が必要だ。
秋の抜けたような青空のもと、ビールを片手にしみじみするなら、まずこのアルバムがおすすめ。

2007年9月12日(水)
ジョー・ザヴィヌルのご冥福をお祈りします。 
〜 Weather Report / Heavy Weather

今朝の新聞の訃報の欄を見て驚いた。「ジョー・ザヴィヌル氏死去、享年75歳。」言わずと知れたジャズ界の巨星だ。フュージョンの一時代を築いたグループ「ウェザー・リポート」のリーダーであるだけでなく、あのマイルス・ディヴィスがエレクトリックへ変貌するきっかけとなった作品「In a Silent Way」の仕掛け人でもある重要人物でもあった。最近は、何の縁か雑誌「Z」の表紙を飾るなど元気な印象を与えていただけにショックである。ここで紹介した作品「Heavy Weather」は名曲「Birdland」を含むヒット作。今日は彼の冥福を祈り、一日中、ザヴィヌル・デイとしよう。

2007年9月11日(火)
「はなうた王子」と呼ばせていただきます。
 〜 Rufus Wainwright / Release the Stars

なんと2ヶ月のご無沙汰となってしまいました。どうも夏の間は、音楽を聴くまとまった時間がなくて・・・と、言い訳はこのくらいにして、ルーファス・ウェインライトを紹介します。実はボクもあまり興味がなく、この作品で初めて彼を聴いてみたのですが、これがなかなかすごい。全般的にミディアム・テンポの曲で流れるように構成されていてとても聴きやすい。この聴きやすさの秘密は彼の歌にある。「はなうた」を口ずさんでいるように、なんとも気持ち良さそうに歌っているのです。元祖「はなうた王」がデヴィット・バーンならルーファスを「はなうた王子」と呼ぼう。久々に出た自然体のメロディーメーカーの今後に大いに期待したい。

2007年7月10日(火)
多才な男と異才な男の競演 〜 Vincent Gallo / the brown bunny

ヴィンセント・ギャロ主演映画のサントラ盤である。俳優、映画監督、ミュージシャンと多才なマルチ・アーティストであるギャロが選んだミュージシャンが、レッチリのジョン・フルシアンテである。このアルバムの半分が彼の曲だ。このフルシアンテがすごい!妖気が漂うようなヴォーカルがびりびり来る。映画はまだ見てないけど、「バッファロー66」みたいにまたぶっ飛んだ内容なんだろうな。映画はさて置いても一枚の作品としてかなりクオリティーが高いできとなっている。
ぎゅっと魂を鷲づかみにされるような音です。

2007年7月2日(月)
ニュー・スタイル、ジャズと詩の朗読の競演 〜 Vijay Iyer & Mike Ladd / in what language?

昨年、ニューヨークに行ったとき、BlueNoteがさほどの人だかりでないのに、向えにある店に多くの客が並んでいた。聞くところによると、その店はポエトリー・リーディング詩の朗読の店だった。最近のニューヨークではこの詩の朗読が静かなブームのようで、有名なハリウッド・スターが読み手になったりすると、大変な人が押し寄せるそうだ。と、このアルバム。ジャズ・ピアニストのヴィジェイ・アイヤーと詩の朗読のマイク・ラッドの競演が収められている。詩の内容は、ある空港でイラン人の映画監督が受けた不当な仕打ちを題材に物語が構成されている。途中様々な効果音を交えながら、詩の朗読は続き、センスのいいジャズ・ピアノが全体を引き立たせる。このアルバムは「ミュージック・マガジン」2003年ベスト・ジャズアルバムに選ばれていました。ジャズ・・・と言うとちょっと?だけど、これはこれで面白い作品です。

2007年6月26日(火)
日本のフュージョンを変えた1枚 
〜 渡辺香津美 /  KYLYN LIVE

今聴いても胸がゾワゾワっとするカッコいいライヴ。今をときめく日本の音楽界の錚々たるメンバーが集結した渡辺香津美率いるスーパー・フージョン・バンドKYLYNの1979年、六本木PIT INでの演奏。メンバーの名前を挙げただけでもすごい。YMO結成前夜の坂本龍一、矢野顕子、村上ポンタ修一、サディスティック・ミカ・バンドの小原 礼、トロンボーンはボクの高校の先輩、向井滋春、トランペットは最近バッハをやって大御所となった清水靖章、CMやドラマの主題曲などで有名な本多俊之などなど、ここから日本の音楽界が動き出したと言っても過言ではないメンツだ。全体的に荒削りではあるが、スピード感溢れる演奏が当時のエネルギーを感じさせてくれる。

2007年6月19日(火)
シカゴ・サウンド、これ一枚?で
  〜 Tortoise / A Lazarus Taxon

最近は少し静かになった観のある「シカゴ音響系」音楽の中心的存在であるトータスの最新作、と言っても過去の未収録テイクをまとめた企画盤である。CD3枚とDVD1枚の4枚組のBOXセット。「シカゴ・サウンドとは何ぞや!」と言う方にはお勧めのお買い得商品。CD3枚はどれも聴き応えある70分前後の長尺録音で全部聴いてるうちに半日を費やしてしまうほどのヴォリューム。音的にはすべてインストでジャズとロックの中間・・・て言うととてもいい加減な表現かもしれないが、アコースティックな演奏に時折使われるエフェクトが、ジャズの流儀とは違った趣を持たせている。どんよりと曇った空を眺めながら、シカゴという混沌とした街を想像しながら聴くとおもしろいかも。

2007年6月9日(土)
これも一種の「天才」でしょ。 〜 Spencer Doran / Puzzles

音楽を創る作業には様々であるが、これも一種の創造的作業と言えるだろうとボクは思う。所謂、DJである。過去に世の中に吐き出された無数の音源から、小さな音の粒を丹念に拾い上げ、それをアーティスティックに組み上げる作業だ。「これはただの盗作だ!」と言う人も未だに多いかもしれないが、天文学的な数のガラクタの中から拾い集めることだけでも大した才能である。そしてそれを意味あるものに並び代えるのも。その作業において、このスペンサー・ドランは「天才」である。この手のアルバムにありがちな、単調な4つ打ちビートやループ(単調な繰り返し)に陥らず、とても表情豊かな展開を聴かせている。おもちゃ箱を覗いているようなわくわくした曲調やメロディーの変化に、彼の非凡さがうかがえる。個人的見解だが、彼はDJ Krushを超えた才能の持ち主と言える。

2007年6月8日(金)
感想はひと言「耽美」
 〜 The Cinematic Orchestra /  Ma Fleur

以前にもこのコーナーで紹介した、シネマティック・オーケストラの新作が届きました。これまでの作品とは少し趣が変わり、とてもしっとりとした内容になっている。バンド名のごとく、一編の映画を観ているような叙情感溢れるできです。ピアノと繊細なヴォーカルに美しいオーケストレイションが絡み、聴くものを映画の情景に誘います。ジャケットの中には曲ごとの雰囲気をイメージしたポートレイトが付いていて、これがまたニクイ。灯りを少し落として、センチメンタルな気分に浸りたい時には正にお勧めのアルバムです。

2007年6月5日(火)
今、最もクールなトランペッター 〜 Erik Truffaz / saloun

ジャズにも様々なスタイルがあるが、最近、はまっているのが、氷のように冷た〜いサウンド。かつて、マイルス・デイヴィスが「死刑台のエレベーター」で聴かせた、背筋がゾクゾクっと来るような正にクールなジャズ。このエリック・トラファズもそんな人を寄せ付けないような冷たさが売り。でもこれが不思議なもので、このクールネスに身を任せてしまうと、なぜかじんわりと熱くなってくる。じっくりと、落ち着いてジャズを楽しみたい時にはおすすめ。ノルウェーのニルス・ペッター・モルビルが好きな人には、ぴったりはまること間違いなしです。

2007年5月27日(日)
おも〜いビートにスピーカーもビビリます。              
〜 jet black crayon / low frequency speaker test
このアルバム、タイトル通り、ご使用のスピーカーの重低音テストには打ってつけの、おも〜いビートにやられてしまいます。おも〜いと言っても、決して暗いわけではありません。なぜなら、このバンドの中心人物、トミー・ゲレロは最近人気のジャック・ジョンソンなんかと一緒にサーフ・ミュージックをやってたりして、カラッとした陽気なヤツ。元プロ・スケートボーダーという異色な過去も持ちます。全編ベースとドラムにDJプログラミングを施したインスト。ちょっとムシャクシャした時にはヴォリュームをグーンと上げて聴いてみてください。スピーカーのビリビリと共に、いつの間にか吹っ切れて、何もかも忘れさせてくれます。
2007年5月15日(火)
天才少女と売れっ子プロデューサー
       〜 Kaki King / ..... until we felt red

最近、ギターの世界では押尾コータローの出現で「ソロギター」=「カッコイイ」という構図ができ、昔のような地味なイメージはなくなってきた。このカーキ・キングも超絶技巧のギター少女だ。この作品は彼女の3作目にあたる。過去2作は彼女の驚異のギター・テクを前面に押し出した作りだったが、この作品ではプロデューサーにトータスのジョン・マッケンタイアーを迎え、ジャズ的なアプローチに挑戦している。ただのギター弾きからミュージシャンへの変身と行きたいところだが、過去の作品に愛着を持ちすぎていると、裏切られた気持ちになってしまう。が、そこがマッケンタイアーの才能で彼女をこのアルバムから知った人にも十分聴き応えのある作品に仕上げている。
沈み行く夕日を眺めながらちょっとセンチメンタルな気分に浸りたい時、聴きたい一枚。

2007年5月8日(火)
スタイリッシュなJAZZ 〜 
The Cinematic Orchestra / Man with a Movie Camera
ジャズって敷居が高いよね。誰を、またどこから聴いていいのか分からなくて、ついつい足が遠のいてしまう・・・・。
そんな方にぜひ聴いてほしいのがこのシネマティック・オーケストラ。グループ名からも想像できるように、彼らの音楽はとてもシネマティック?ドラマティックなのです。ジャンルで言えば、クラブ・ジャズに分類されるのかな。ジャズのカッコいい要素だけをうまくつなぎ合わせたような、反則スレスレのジャズ・アルバム。眉間にしわを寄せてジャズを聴いてる人に聴かせたら、「認めない!」って言われそうだけど、それほど聴きやすく、スタイリッシュだってことなのです。
2007年4月25日(水)
ソウルフルなフォーク・ソング 〜 Fiona Apple / When the Pawn

フィオナ・アップルの99年の作品。邦題は「真実」と名付けられたこのアルバムは、発売当時とても評価が高く、軒並みその年の音楽雑誌のベスト・アルバムに名を連ねた名作である。ソウルフルでドスの効いた声で歌うフォーク・ソングといった感じ。演奏もとてもタイトで知らず知らずのうちにステップを踏んでしまうようなノリの良さ。どんなときに聴くといいかな〜・・・?。そう、暖かな午後、外に干したお布団を叩きながら聴いてみると最高に元気になれるんじゃないかな。「真実」の邦題に恥じない納得の作品です。

2007年4月18日(水)
ブリストル・サウンドに酔わされて 〜 Alpha / Stargazing

イギリスの港町、ブリストル発祥のブリストル・サウンド。かつての奴隷貿易の拠点としての重苦しさが、そのままサウンドに反映されたかのような重いビート。重くて気だるいが代名詞のブリストルの中でも、このアルファは比較的聴きやすい。女性ヴォーカルを曲によってフィーチャーし、この重、気だるさがかえって耽美に聴こえてくる。夜、このアルバムをBGMにお酒でも飲んでいると、どんどん音圧の高さで引き込まれてしまう。ドロ〜ンと飲みたいときはおすすめだが、飲みすぎに注意。

2007年4月16日(月)
アルジェリアからのRock 〜 Rachid Taha / Made in Medina

アルジェリアからのロック。と言っても、正確にはサッカーのジダンと同じくアルジェリア系フランス人になるのか。アメリカやイギリスなど西欧系のロックに耳が慣れていると、ぶっ飛ぶかもしれません。このラシッド・タハの歌唱法は伝統的なイスラム音楽のライが基本で、喉の奥から搾り出すような独特なしわがれ声が印象的。ディストーションの効いたギターとうら寂しいウードの音が不思議な世界を醸し出している。映画「ブラックホーク・ダウン」でも流れた冒頭の曲「Barra Barra」で一発ノックアウト、間違いなしです。

2007年4月5日(木)
DNA, DNA 恐るべしDNA 〜 Charlotte Gainsbourg / 5:55

最近、どこの世界でも二世が活躍していますが、ひがみも交えて言わせてもらえば、「最初っから親に梯子かけてもらってるだけジャン!」と言いたくなる。でも、このアルバムを聴いてみて、悔しいかなDNAの偉大さを痛感させられた。この子、お父さんはフランスのちょい悪親父セルジュ・ゲンズブール。お母さんはあの淫靡なささやきのジェーン・バーキン。ときたら、もうDNA×DNAで、文句あるか!てな感じです。内容的にもお母さんのヴォイスにお父さんのセンスの良さがうまく溶け合い、なかなかの作品に仕上がっています。ちょっと残念なのは意外とフレンチの曲が少ないことかな。ちょっと斜めなポップスをご希望の方、おすすめです

2007年3月29日(木)
時代を超えた名盤 〜 チューリップ / 無限軌道

キリン・ビールのCMでまたまた復活のチューリップ。「サボテンの花」は知ってるけど・・という人は多いと思いますが、その名曲が収められてるのがこのアルバム。「サボテンの花」は確かに名曲ですが、このアルバムを通して聴いてみると、この名曲もかすむほどの名名曲ぞろいです。個人的には「愛のかたみ」やあべ静江(知らないかな〜)が歌った「私は小鳥」など、この頃の彼らのクオリティーの高さに驚きます。彼らのアルバムを通して聴くには忍耐の必要(駄作も多いので)なものも多いのですが、この「無限軌道」と「日本」は聴き応えありです。過去の名盤再発見と考えている方、ぜひ聴いてみて下さい。

2007年3月21日(水)
ブルージーなサーフ・ロック〜 Keison / Bottle

最近、サーフ・ロックがちょっと気になって、つまみ食いしてみたのがこのKeison。しわがれた声にレイドバックした乗りのよさが最高です。サーフ・ロック特有の乾いた空気感というか、ドライでいて熱い演奏がなかなか良いです。実はこのKeisonという人、ボクはあまり知らないのですが、ドスの利いた歌いっぷりは、何だか「踊るポンポコリン」のおじさんのようで、思わず「イェー!」って合いの手入れたくなるほどです。太陽の下、ビール片手にリズムを取りながら聴きたいアルバムです。

2007年3月15日(木)
最新の音、荘厳なポスト・ロック〜Hammock / raising your voice・・・

先日出たばかりの湯気が出るほどの新譜。ハンモックなんてバンド名とこの何とも清々しいジャケットからどんな音を想像しますか?波の音・・サーフ・ミュージック・・?。これが全然この雰囲気とは違うんです。全部で18曲と約5分程度の曲がクレジットされていますが、全体が一つの曲といっていいほど、トータルなイメージで構成されている。ドラムなどのビートは気にならないほど押さえられていて、全体には荘厳なオーケストレイションとギターのノイズを調和させた、アンビエントな作品となっている。シューゲイザーなんてジャンルに入れられるみたいだけど、そこまでうるさくなく、まどろみながら聴いてるとふわっと眠りに引き込まれそう。不眠症に悩む人には心地よい一枚になりそう。

2007年3月7日(水)
なかなかやるもんだね!このイケメン〜小沼ようすけ / 3,2&1

日本のジャズ界はやたらとミーハーなんだよね。音が良くても、すばらしい作品を出していてもヴィジュアル的にイケてないと売り出してもくれない。で、このイケメン・ギタリスト、小沼ようすけだが、ヴィジュアルだけかと思っていたら、内容がすこぶるイイのだ。この年齢で曲の雰囲気を自分の方にグイグイ引き込んで、「ようすけ・ワールド」を表現している。なかなか侮れませんよ、このイケメンは。そういえばこの小沼君とヒノテルの息子でベーシストの日野賢二君とトランペットのイケメン、TOKUが3人でユニットを作って売り出し中なんてのを期待もせずに聞いていたが、どうも一度聴いてみなければと思わせる彼の作品である。

2007年3月3日(土)
一番最近の Nu Jazz は刺激的〜Scotty Hard's Radical Reconstructive Surgery
このアルバムは、ここ数年、気に入っているニューヨークのレーベルTherstyEarから、つい最近出た湯気の出るような新譜。このレーベルはクラブ・ミュージックとジャズの垣根を取っ払って、新しいジャズの表現を発信する今最も注目されてるレーベルである。この作品の参加ミュージシャンも生粋のジャズ・マンからDJ、はたまたプログラマーと異種格闘技と言っていい顔合わせだ。内容はフリー・フォームのジャズに、ありえないようなリズム展開が入ってくるような、これぞ正しくNu Jazzと言えます。何か新しい音がほしいという方には、刺激的な一枚となるでしょう
2007年2月21日(水)
まだ聴いてないけど期待をこめて〜Bryan Ferry / Dylanesque

先日、このコーナーにブライアン・フェリーのカバー・アルバムのことを書いたら、これぞシンクロニシティか、彼の新作の情報が入ってきた。これがなんと全編ボブ・ディランのカバーと言うことだ。すでに体験した音楽評論家の意見は賛否両論。ディラン好きには許されざる改悪であるとか、イギリス紳士がアメリカン・トラッドをやってもダメなんて酷評もあるようだ。まだ聴いていないから何とも言えないけど、ディラン好きには申し訳ないが、他人の曲を自分の曲にしてしまう彼の真骨頂の表れではなかろうか?、と否が応でも期待が膨らむ。日本版は4月7日発売予定だから、ぜひ聴いてみたい。

2007年2月19日(月)
しゃれた大人のRockを・・・〜Bryan Ferry / TAXI

この人にカバー・アルバムを作らせたら天下一品、と唸らせる作品。ブライアン・フェリーはもとロキシー・ミュージックのヴォーカリストであり、独特なアヴァンギャルド・サウンドの中心的存在。彼はソロでも何枚かの作品を出しているが、他人の曲を自分なりにアレンジしたカバー・アルバムがいくつかある。この「TAXI」も他のミュージシャンの馴染みの曲が散りばめられている。この人がアレンジすると、原曲のイメージがなくなってしまうほど彼の色に染めてしまう。彼にかかると「アメイジング・グレイス」もしゃれたナンバーに変わってしまう。Rockといえば騒々しいと敬遠しがちな方にはぜひおすすめ。しゃれた大人のRockを堪能してください。

2007年2月13日(火)
とうとう出ました!なつかしの名盤が!〜Native Son / Coast to Coast

ずーっとCD化されるのを待ってました。日本のフュージョン界の草分け的存在、ネイティヴ・サンのライヴです。昨年、かつてこのグループのリーダーでピアニストの本田竹廣さんが亡くなりました。本田さんは、ここ清里が大好きで、年に2度ほどのペースで清里でコンサートを開いていました。私も3度ほど聴きに行きました。豪放磊落な性格でお酒をこよなく愛し、それが災いして一時は再起不能と言われながらも、ピアノでリハビリしながら再起を果たして間もなくでした。本当にご冥福をお祈りいたします。
一応、それを機に再発されました。すばらしい演奏です。聴いてください。

2007年2月7日(水)
最高に元気になれるライヴはいかが?
〜Spin Doctors / Homebelly Groove・・・Live
熱気溢れる臨場感が体感できるのもライヴ盤ならでは。バンドによっては、スタジオ盤よりもライヴの方が数段すごいって言うのもいます。このスピン・ドクターズもそんなライヴ・バンドのひとつ。何しろこのバンドは演奏がうまい。ドラムとベースの手数が多く、ギターを含めてトリオ編成なのに、とてもタイトな演奏を聴かせる。彼らは海賊盤市場でも人気が高く、隠し取りされたライヴ音源が市場に出回って、結構いい値で流通している。
最近はメンバーが代わりちょっと元気がないけど、この頃の演奏は最高です。
2007年2月1日(木)
時代を変えたクールな音〜Steve Miller Band / Fly Like an Eagle

70年代に入り、イギリス系のミュージシャンが強かった頃、アメリカ人にもこんなセンスが発揮できるんだ、と唸らせた作品。スティーヴ・ミラーはもともとアメリカの南部っぽい雰囲気とキャッチーなメロディーで人気は高かったが、このアルバムで、その音楽性にさらに磨きをかけたと言える。なぜ、この作品をここで紹介するかと言えば、これが発表された時、本国アメリカではNo,1アルバムにまで指示されたにもかかわらず、日本ではほとんど紹介もされなかったから、未だ新鮮味を残していると思ったからだ。今、聴いても全然古臭さを感じさせないカッコよさ、ぜひ体感してみてください。

2007年1月28日(日)
超絶技巧のロシアから来た若者〜ELDAE

このジャケット写真を見ると、子供が鍵盤のおもちゃで遊んでるように見えるが、中身をきいてみてぶっ飛んだ。超絶技巧のテクニシャンである。で、彼がまたロシアの小国キルギス生まれの18歳(当時)と聞いて二度びっくり。18歳とは思えない引き出しの多さに歓心してしまうが、そんなプロフィール抜きでも十分聴き応えがある。ロシアから出たからなのか、ピアノの旋律にも独特の「間」がある。昔、キューバから出たゴンサロ・ルバルカバを聴いたときの衝撃に匹敵する。彼もカリプソ独特な「間」と超絶技巧が特徴だったが、このエルダーも同じようなニュアンスを感じる。
ピアノ・トリオという古い形態にも新しいものを・・とお考えの方には特におすすめ。

2007年1月24日(水)
ガツン!とユンケルのような効き目〜Battles / EP C/B EP

あー、眠い、でも気合入れて行かなくちゃ・・・て時ってあるよね。そんなときは脳にガツンと刺激を与えてくれる音楽が必要になる。このバトルズはバンド名のとおり、まさに格闘の音楽。全編インスト・ポスト・ロックで、この手の音が好きな人には、たまらないアンサンブルを聴かせてくれる。ギター、ベース、ドラムスにデジタル・エフェクトを施したストレートな作りはライヴ演奏を聴いているかのような緊迫感を与えてくれる。
寝ぼけ頭から雲を取っ払うなら、このアルバムで。

2007年1月23日(火)
気持ちのいい、朝でも聴けるクラブ・ジャズ
〜Calm / Presents Conception for the Street Noise 
カームの初期の作品。カームとは日本人アーティストFARRの一人ユニットとしてクラブ・ジャズ界では世界的な存在。曲調は全体的にさわやかであり、且つカッコいい。音作りがとてもセンスがいいのです。クラブ系の音と聞くと、4つ打ち系の騒々しかったり、または単調だったりという印象がありますが、彼の作品には踊るというよりは、聴かせる要素の方が強い、そんな感じがします。ジャンル的にはヒーリングや環境音楽に入れても良いくらい・・・かな。
朝、苦めのコーヒーを飲みながら聴くには最高かもしれません。
2007年1月20日(土)
まったりとした大人のJAZZ〜UA&菊池成孔 /  Cure Jazz

今、飛ぶ鳥を落とす勢いのマルチ・ミュージシャン菊池成孔とウーアなんて、組み合わせだけでも何かやってくれそうな予感。ジャズのスタンダードナンバー中心だから彼らの力量も量れるといったもの。ウーアのまったりしたヴォーカルに菊池の作為あふれるサックスの音色がなんとも大人の雰囲気を醸し出す。
自由な発想のアレンジで、スタンダードといえども飽きさせないところは、さすが最先端を行くアーティストと言わせる心にくさ。ウーアのファンにもジャズファンにも納得の作品。

2007年1月17日(水)
なぜか雪の降る日に聴きたくなるんです。〜Trainspotting

この映画観ました?あのスターウォーズで若き日のオビワン・ケノービを演じていたユアン・マクレガーの出世作となった映画です。これがまさしくパンク・ムーヴィーで、このサントラもなかなかのでき。参加ミュージシャンもイーノやイギー・ポップ、ルー・リードなどつわものぞろい。中でも雪の日に聴きたくなるのがプライマル・スクリームの曲。なんとも幻想的で聴いてると寒くなってきます。
一枚でいろいろ楽しめるサントラも結構おすすめアイテムかも。

2007年1月15日(月)
音楽で感動したことありますか?〜King Crimson / Lizard

ちょっと古いのからひとつ。キング・クリムゾンの3rdアルバム「リザード」。クリムゾンのアルバムの中では、「アイランド」に次いで地味な作品ではありますが、内容は実に濃いです。圧巻は旧B面のメドレー「ボレロ」。オーケストラとの競演で実にクラシカルに聴かせます。圧巻の中の圧巻は心にしみるオーボエの音色です。本当に涙が出ます。クラッシックが好きでロックも・・・と言う方、ぜひ取っ掛かりにいかがでしょうか。

2007年1月13日(土)
北欧の冷たく激しい音〜Eivind Aarset / Light Extracts

北欧、それもノルウェー発のジャズがここ数年とても元気で、このアイヴァン・オールセットもそのムーヴメントの中のひとり。彼のギターはさしずめ黒く光るメタリカルな燻し銀サウンド。独特なエフェクトをかけた浮遊感あふれるスタイルは、彼だけのオリジナル表現といえる。北欧の冷たい気候が生んだクールな音で、ホットになれるなんて不思議だけど、まさしく、そんな形容がピッタリくる作品です。

2007年1月12日(金)
JAZZってもともとはこんなに猥雑なものだったんでは〜
SexMob / Sexotica・
ジャズがこの世に登場したときって、たぶん「パンク」が登場したときより刺激的で退廃的で、ある人は毛嫌いし、ある人は興奮し、とかなり影響力があったはず。このセックス・モブはバンド名からして、そんな反応を計算してるかのようなバンド。ジャズが持つ(持っていた?)猥雑さを現代の音で表現している。昔、かとちゃんの「ちょっとだけよ・・」のサックスの音色に子供ながらに、いけない音を聴いてしまったというような後ろめたさを感じたのはボクだけではないはず。そんな気分に誘われる作品です。
「ちょっとだけよ・・」と思う間にはまるかもしれません。
2007年1月11日(木)
我が家の「全力少年」たちがはまってます。〜
 スキマスイッチ /  空創クリップ
何がきっかけだったか、我が家の息子たちが今一番はまってるのがスキマスイッチの「全力少年」。二人で声を合わせて熱唱している様を見ていると、この間までアニメの主題歌ばかりだったのがうそのようです。たしかにスキマスイッチの作る曲は何だか人を元気にさせるよね。時代を象徴するメロディー・メイカーがその都度出てくるけど、彼らとコブクロあたりはいま旬のミュージシャンと言えるのかも。ゆずのように時代に消耗されないように、しっかりと溜めて良い曲をどんどん作ってもらいたいものです。
2007年1月10日(水)
夢見心地のジャズ・サウンド〜
the Dylan Group / Ur-Klang Seach

このディラン・グループはジャンル分けすると何になるんだろう?リーダーのディラン・クリスティーのヴァイブがゆらゆらと夢見心地に漂う全編インストゥルメンタルの作品。アコースティックなアンサンブルがなんとなくケルトの臭いをうかがわせる。ジャズやポスト・ロックが好きな人なら、この新しいスタイルの音にしばし聴き入るかもしれません。
午後のまどろみの時間に気持ちのいい作品です。

2007年1月9日(火)
静寂の朝、北欧の澄んだ音色で〜Bjorn Klakegg / Gloria

今朝、6時半に目が覚めてカーテンを開けてみた。空がうっすら明るくなり朝の予感。折角だから起きてこの夜明けの絶景を見てやれ、と一緒に味わったのがこのアルバム。このビョルン・クラークエッグという人はノルウェーのギタリストで、このアルバムはハラール・スクレルー(パーカッション)とのデュオでの録音。メロディーがありそうでない、少しアンビエントな演奏。寒いノルウェーの大地が生んだような澄んだ音色が朝の雰囲気を盛り上げてくれる。
静寂の朝を演出する北欧発の必須アイテムです。

2007年1月7日(日)
久しぶりに聴くといいもんです〜Miles Davis / and Milt Jackson

たぶん5年は聴いてないかな・・・。昨夜泊まられたHさんのリクエストで久しぶりに聴いてみて、あれ?これってこんなにいい音だったっけ?と今更ながらに感動しちゃいました。マイルスのCDだけでも200枚近くあるため聴いてないCDはたぶん10年は聴いてないんじゃないかな。でも昔聴いたときはミルト・ジャクソンのヴァイブがこんなにきれいに響かなかったような気がするんだけど、それは清里に来る前、多摩のマンションでヴォリューム落として聴いていたせいかな。
スタンダードなジャズといえばこの頃の音なんでしょうね。実にクールで、バーボンでも傾けながら浸るには最高です。Hさん、ありがとう。

2007年1月4日(木)
「はなうた」気分の午後に〜ハナレグミ / hana-uta

ここまで紹介してなかったけど、実は邦楽もよく聴くのです。で、このhana-uta、まさしくはなうた気分の時にはもってこいの気軽なアルバム。
ハナレグミは永積タカシくんのひとりユニットで、たま〜にTVでもお目にかかれるし、CMソングなどにも使われているのでご存知の方も多いことでしょう。
でも、これってフォーク・ソングなんでしょうか?それともジャズってもんでしょうか、何だか不思議な響きです。はっきり言えることは、トラッドな響きだけど暗さが微塵もない、かと言ってからっとした感じもない。これぞまさしくゆるゆる系とでも言うのでしょうか。
ゆるゆるした午後にどうぞ。

2007年1月2日(火)
憂鬱な日も味わえば〜Dakota Suite / Morning Lake Forever

人生、照る日もあれば曇る日もあるさ。曇っているからといって捨て鉢になっても、一日は一日。せっかくならそんな曇った日も味わってしまおう!ということでこのアルバム。
ジャンル的にはスロー・コアと呼ばれる部類に入る。全編ギターとピアノにヴォーカルが気だるく絡む、憂鬱な日にはもってこい。
ボクの音楽鑑賞の哲学は「その場の雰囲気にはそれに合った音楽を」で、気分が沈んでいるからと言って、無闇に明るい音楽を聴かず、せっかくならその沈んだ気持ちを面白おかしく演出してやれというもの。曲が終わっている頃には気持ちも晴れるもの。
曇った日にはダコタ・スィート、特におすすめです。

2006年12月31日(日)
除夜の鐘を聴きながら厳かな音を〜Charles Lloyd / Note from Big Sur

今年最後の一枚を選ぶのに随分と迷いました。そして選んだのがこのチャールス・ロイドの作品。
この人は60年代後半、ベトナム反戦を訴えるジャズ・マンの象徴としてもてはやされ、その後はほとんど隠遁生活をこのタイトルにもあるカリフォルニア州ビッグ・サーで続け久々に世に出て発表した作品というのがこの作品。
激しい波に洗われる岬の町ビッグ・サーから生まれる厳かなジャズの音色に心奪われる。
今年も色々あったけど、ちょっと噛み締めてみようかな。

2006年12月30日(土)
さわやかな朝に絶対的におすすめ!〜Bruce Cockburn / Speechress

ここ数ヶ月、毎朝朝食のときに流している「朝の定番」。
このブルース・コバーンはカナダのシンガー・ソング・ライターでブッシュ政権批判の曲を発表したりする骨太シンガーだが、
このアルバムはタイトルの「スピーチレス」とあるように歌なしインストゥルメンタルという異色作である。
歌もすごいが、この人のギターがまたすごい。全編彼のアコースティック・ギターで綴るカントリー・フォークの世界が広がる。
のどかな牧場を眺めながら聴いていると、ここってもしかしてコロラド?と錯覚しそうになる。
たぶん誰が聴いても納得の朝の定番となるでしょう。

2006年12月29日(金)
ブラジルからもうひとつ〜Maria Rita / Segundo

これも先日手に入れたブラジル版からのお気に入り。
マリア・ヒタのセカンド・アルバム「セグンド」。この人は本国ブラジルでも相当に注目度が高く、デヴュー・アルバムも異例の大ヒットだったらしい。
歌のセンスが抜群で、一度聴いたら忘れられない雰囲気の持ち主。
BGMとして聴いているうちに、いつしか引き込まれてしまう。
こんな人が地球の裏側にいるなんて、世界は広いんだな〜ってつくづく思います。

2006年12月27日(水)
日曜日、ブランチのお供に。〜Affonsinho / bele

これは先日手に入れた数枚のブラジル版CDの中でも、今最もお気に入りの一枚。
このアフォンシーニョはブラジルはリオデジャネイロ出身のシンガーソングライター。
リオならではのゆるーい雰囲気に、彼の甘い声がとてもマッチしていて気持ちが和みます。
ブラジルといえばサンバかボサノヴァと思われがちだが、このアルバムも含めてMPBというジャンルもなかなか聴き応えがあります。
のんびり遅い朝食とともにリオの風に吹かれるのもいいものです。

2006年12月25日(月)
静かになったクリスマスの夜に〜Brandon Ross / Costume

賑やかだったクリスマス・イヴ。一夜明けた次の夜は静けさに包まれたい。
ブランドン・ロスの昨年出したファースト・ソロ「コスチューム」はそんな夜に聴きたい一枚。
音の密度が高いというか、空間を埋めるような息遣いが聴こえてくる。アコースティック・ギターの音色がジャズ・スタイルのドラムとベースにうまく溶け込んでいて何しろかっこいい。
録音技術の高さも手伝ってか、音量を上げて一音一音噛み締めながら聴いていても疲れない出来栄え。
夜を楽しむ一枚としておすすめです。

2006年12月20日(水)
暖かな部屋、クリスマス・ディナーとともに〜James Taylor / October Road

September Rainから始まって、Merry Little Christmasで終わる、秋から冬への移ろいを綴った心温まる作品。
家族団らんでクリスマス・ディナーを食べながらBGMに流れていると何だか皆が優しくなれるから不思議。
ジェームス・テーラーって優しいお父さんって感じがするんだよね。
最後のメリー・クリスマスは本当に心にしみます。

2006年12月19日(火)
2006年、私のベスト・アルバム〜Thom Yorke / Eraser

師走も押し迫り、音楽雑誌は早くも今年の総括とばかりベスト・アルバムだのベスト・ライヴだの掲載してますが、私も独断と偏見で今年のベスト・アルバムを選んでみました。
このトム・ヨークは人気ロックバンド「レディオ・ヘッド」のヴォーカル、この作品が初のソロ・アルバムとあって、期待度は高かったが、それを裏切らないすばらしい仕上がりとなった。
レディオ・ヘッドの独特なサウンドそのままに、彼のメランコリックなヴォーカルがOne & Onlyなサウンドを際立たせている。
多くの人の耳を引きつけること、間違いなしの作品です。

2006年12月15日(金)
おしゃれでスタイリッシュなJAZZ〜Beady Belle / Cewbeagappic

北欧はノルウェーから届いたオシャレなJAZZ。
ビーディー・ベルはバンド名で、ヴォーカルでこの写真の彼女は中心人物のベアテ・レック。
彼女の知的でエモーションを少し押さえめなヴォーカルが北欧的なクールなサウンドにマッチしてとても心地いい。
クリスマス・パーティーなどのBGMには最適な音の空間を創ってくれます。

2006年12月13日(水)
陽射しのなかでうたた寝〜Tommy Guerrero / A Little Bit of Something

これはサーフ・ミュージックと言えるのかな・・・?サンフランシスコの元プロ・スケートボーダーのアルバム。
「スケボーやりながら聴きたい音楽を自分で作っちゃいました。」ということで出したらしいけど、これがすばらしい出来です。
生ギター中心で波の音が聞こえてくるような心地よさ。つい、うとうととしてしまいそうなゆる〜いサウンドです。

2006年12月5日(火)
夜の静寂を演出する「声」 〜Nine Horses / Snow Borne' Sorrow

ジャケットがとても見えにくいのですが、元がこんな感じなのでご容赦を。
パンク時代の後期、今で言うビジュアル系で一世を風靡したジャパンのヴォーカルデヴィット・シルヴィアンと彼の弟のバンドの1stです。
ジャズとロックの間を揺れ動く、ゆったりと怪しいメロディに心奪われます。
なんといってもこの人の「声」です。耳元でささやくような、時にうなるような、一度聴いたら忘れられません。

2006年12月4日(月)
深夜、バーボン片手に 〜Boz Scaggs / But Beautiful

灯りを少し落として、バーボンでも酌み交わしながら聴きたい。
ジャズは聴いてみたいけど何から聴いたら良いか分からない、というロック・ファンにはおすすめ。80年代前半、AORの旗手としてひと時代を築いたボズ・スキャッグスの初めてのジャズ・アルバム。
あの鼻にかかった独特な歌声にスタンダードなジャズ演奏が絡み、彼のファンならずとも納得の仕上がりになっている。
volume1とあるので、volume2の発表が待たれる。

2006年12月2日(土)
午後のティータイムに 〜Ann Sally / moon dance

ほんわかと優しい気分にさせてくれるアルバム。
このアン・サリーは、実は日本人ジャズシンガー。本職?はカリフォルニアでお医者さんをしているという異才の人。
変な小細工のない素直な歌い方が流れるような存在感を持っていて気持ちが良い。
「星影の小径」はTVコマーシャルでも使われていたので、耳覚えがあるかも。
ほっとしたい午後、すこし甘めの紅茶といっしょに聴いてみては・・・・。

2006年11月30日(木)
さわやかな朝に!〜the album leaf / one day I'll be on time

お天気のいい朝、目覚めたときこんな音楽が流れていたら最高!というアルバム。
サンディエゴを中心に活動するジミー・ラヴェルの一人ユニット「アルバム・リーフ」の2001年の作品。

ほんわかとエコーの効いたギターとピアノの醸し出す包まれ感がなんとも癖になりそう。ドラムの入ったアップテンポの曲も良いが、朝のまどろみの中なら飛ばして聴きたいところ。

少し靄かかった朝、我が家でもよく流れている定番です。